あなたは自宅でピアノを弾くとき、防音室で演奏されていますか?
ピアノ教室をされているお家では、防音室を設置している方も多いと思います。
しかし、子供がピアノを習っているご家庭の中で、防音室まであるご家庭は少ないはず。なぜなら、「ピアノを習わせる」「ピアノを購入する」だけでも相当なコストがかかる上に、防音工事ともなるとかなりの出費になるからです。
しかし、ピアノの練習の音が近隣に響くのもの事実。騒音対策をしなければ、せっかくのピアノを自宅で演奏することもできません。
でも大丈夫です。この記事では、防音工事で防音室をどうしても導入できない方のために、効果的なピアノ防音方法をご紹介しましょう!
1. ピアノの種類と仕組み
- グランドピアノ
- アップライトピアノ
- 電子ピアノ
1-1. グランドピアノ
1つ目は、グランドピアノ。
弦を水平に張った形をしています。
またの名を「アコースティックピアノ」と呼ばれるピアノです。
グランドピアノは、指先で鍵盤を押し、その力が複雑な機構(アクション)を通ってハンマーを動かし、弦を叩いて音を出します。その弦を叩いた振動が、響板と呼ばれる木の板を伝わって楽器全体が振動して、独特な広がり・響きを生み出すという仕組みです。
音量の調整はできませんが、弾き方によって無限の演奏表現ができます。
1-2. アップライトピアノ
2つ目は、アップライトピアノ。
グランドピアノを縦型にしてコンパクトにしたのが「アップライトピアノ」です。
アップライトピアノも「アコースティックピアノ」と呼ばれ、ハンマーで弦を叩いて音を出す基本構造は一緒ですが、アクションや響板の形が異なるので弾き心地や音色も異なります。
1-3. 電子ピアノ
3つ目は、電子ピアノ。
アコースティックピアノの音を録音し、スピーカーから音を出すのが電子ピアノです。
3つありますが、実はどのタイプのピアノでも、違いはあれど家で演奏するときは防音対策が必要なのです。
その理由を次で解説しましょう。
2. ピアノから出る音の種類
ピアノから出る音は、「空気伝播音」と「固体伝播音」の2種類があります。
これが厄介で、防音する上での対策方法が「空気伝播音」と「固体伝播音」で異なるのです。
では、それぞれどのような音なのか解説しましょう。
2-1. 空気伝播音
空気伝播音とは、その名の通り空気を介して伝わる音です。
例えば、話し声やペットの鳴き声、スピーカーやピアノ等からの音が空気伝播音にあたります。ピアノでいうと、「音色」が「空気伝播音」です。
空気伝播音は、空気を遮断することで比較的騒音を軽減することが可能となります。方法としては隙間対策や、吸音材や遮音材を組み合わせた防音材を使用することで音を減らすのが一般的です。
2-2. 固体伝播音
固体伝播音とは、壁や床などの物質を介して振動が伝わる音です。
例えば、子供の足音や洗濯機の振動、工事の音などが固体伝播音にあたります。ピアノでいうと、「打鍵音」や「ペダルを踏む音」が「固体伝播音」です。
固体伝播音は、音の発生源自体の振動を抑えるか、床に伝わる振動音を軽減させる方法で、固体伝播音を軽減することができます。
このように、「空気伝播音」と「固体伝播音」はそれぞれ特性を持っているため、特性を理解した上で適切な防音対策が必要になるのです。
3. ピアノの防音対策
では、いよいよピアノの防音対策方法をご紹介しましょう。
防音工事をしない場合、ピアノの防音対策は主に次の3つなります。
- 楽器演奏OKの物件に引越しする
- ピアノ自体を防音する
- 部屋の壁、窓、床に防音グッズを設置する
3-1. 楽器演奏OKの物件に引越しする
まず挙げられるは、楽器演奏OKの物件に引越しすること。
ピアノの防音対策で最も理想的な方法は、ピアノを囲む形で防音することです。
つまり防音室があることが一番の理想となります。どこか一部だけ防音するのとは、効果が異なるのです。
楽器演奏をしてもいい物件は、「防音物件」と「楽器相談可の物件」です。
3-1-1. 防音物件
防音物件は、防音設備が整っている物件です。
ピアノの練習は日常的にする人におすすめです。
楽器を演奏することを前提としている物件なので、他の住民も理解があり、騒音トラブルが起きる可能性が低いのがメリット。
しかし、防音設備がある分、当然家賃も相場より高いのがデメリットです。都市部では1万円~3万円程度高いなんてこともよくあり、年間では数十万単位でコストがかかることもあります。
音楽を仕事にしている人はともかく、趣味で音楽をしている人にとってはなかなか手が届きづらい家賃帯でもあり、楽器自体も高価なものなので、費用面で断念される方も多くいます。
また、防音物件は数が多くないため、入居が難しい物件です。
3-1-2. 楽器相談可の物件
楽器相談可の物件は、防音設備があるわけではありませんが、常識の範囲で演奏が可能な物件です。
多くの場合、演奏時間は時間指定で決まっているところが多いのが特徴です。また、同じように楽器を演奏したい住人が集まっています。
しかし、ピアノやバイオリンなどの楽器はOKですが、ドラムなどの打楽器はNGな部屋もあります。
使用したい場合は相談して対応してもらえることもあるので、どの楽器を演奏するか、ご自身でどのくらい対策されるかを考えて相談すると良いでしょう。
ただこの方法は、引越しをする予定・予算がない人、すでに持ち家がある人にとっては、使えない方法となります。
そんな方のために、別のピアノの防音対策方法をご紹介しましょう。
3-2. ピアノ自体を防音する
次に考えられるのは、ピアノ自体を防音することです。
ピアノは少しの工夫で、音漏れを防ぐことが可能です。
では、具体的にどのように防音対策すればいいかご紹介しましょう。
3-2-1. ①消音ユニットを取り付ける
アップライトピアノ、グランドピアノは、ほとんどのモデルに「消音ユニット」という防音アイテムを取り付けることが出来ます。
「消音ユニット」は、簡単に言うとピアノと電子ピアノを切り替えて使用できる防音アイテムです。消音バーをピアノ内部のアクションに取り付け、ハンマーが弦を打つ直前で止めることで、ピアノの音を消すことができます。また、消音ユニットは後付けが可能ですので、切り替えが可能です。
消音時は電子ピアノと同じく電子音になってしまう点がデメリットとなります。
3-2-2. ②マフラーペダルを使用する
アップライトピアノには、ペダルが2本または3本あり、3本ある場合の真ん中のペダルは「マフラーペダル」と呼ばれます。
「マフラーペダル」を踏んで固定すると、ハンマーと弦の間にフェルトが入ります。これによって、フェルトの上からハンマーが打弦するようになるため、音を1/3程度に抑える事が出来るのです。
3-2-3. ③インシュレーターをピアノの足に付ける
インシュレーターは、床への振動を防ぐ防音グッズです。
素材はゴム製で厚みがあり、中に空気層があり床に伝わる固体伝播音を軽減。また、鉄板が入っていることで階下に音が伝わりにくい構造となっています。
デメリットとしては、防音効果が高い高品質なピアノインシュレーターについてはそれなりの費用がかかるということです。(1万円~)
これらの方法は、引越しに比べて手軽に防音対策できるのが魅力ですが、「ピアノの音が変わる」という難点があります。
ピアノのとは変えたくないという方のために、最後に別のピアノの防音対策方法をご紹介しましょう。
3-3. 部屋の壁、窓、床に防音グッズを設置する
最後にご紹介するのは、部屋の壁、窓、床に防音グッズを設置する方法。
つまり、工事なしで今ある部屋を防音室にしてしまうということです。
「引越す予定・予算がない」「ピアノの音を変えたくない」という方にとって、これが一番おすすめの方法となります。
では、壁、窓、床それぞれの防音対策方法についてご紹介しましょう。
3-3-1. 壁の防音対策には「防音パネル」
壁の防音対策には「防音パネル」を使います。
特に、アップライトピアノはピアノの奥側に設置する防音パネルが市販されています。弾き手に聞こえる音が、少々変わってしまいますが、マフラーペダルよりは違和感の無い練習が可能です。
ちなみに、「遮音」「吸音」など、防音に似た言葉がありますが、「遮音」は音を跳ね返して音を軽減させること、「吸音」は音を吸収して音を軽減させることです。そして「防音」は、「遮音」と「吸音」は組み合わせて音を軽減させることなので、基本「防音」という名のつくグッズの方が防音効果が高いと言えます。
3-3-2. 窓の防音対策には「防音カーテン」
窓の防音対策には、「防音カーテン」を使います。
防音カーテンは、通常のカーテンより、厚く、高い密度の素材で作られており、部屋の中から外部への空気伝播音を遮断する効果があります。ピアノの音を軽減するのが一番のメリットですが、他にも「外からの音を抑える」「断熱効果がある」といったメリットもあります。
デメリットとしては、厚みがある分、重量があることですが、防音室を作るうえで必須の防音グッズのひとつとなります。
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3-3-3. 床の防音対策には「防音マット」
床の防音対策には「防音マット」を使います。
「ジョイントマット」「コルクマット」なども防音マットと呼ばれますが、一番おすすめは「カーペットタイプ」の防音マットです。
「カーペットタイプ」は防音マットの中でも特に優れた防音効果を持っています。しかし、遮音等級を確認して設置しないと音が軽減できていないこともあるので注意。
遮音等級の高い防音マットの選び方は、LL値という値を参考にしてください。
LL値は、数字が小さければ小さいほど遮音性能が高い製品と言えます。
ピアノなどの通常の騒音よりも軽減しにくい音の場合は、LL値が小さい「LL35」の防音マットがおすすめです。
上の図を見ていただくとわかるように、MUTEの「防音専科」は、「LL35」を取得したカーペットタイプの防音マットです。
「防音専科」をピアノの下に設置することで、空気伝播音である「ピアノの音色」と、固体伝播音である「打鍵の振動音」の両方を軽減してくれます。
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以上が、比較的導入しやすいピアノの防音対策となります。
まとめ
- グランドピアノ、アップライトピアノ、電子ピアノ、どのピアノでも騒音問題を避けるためには防音対策をするのがよい
- ピアノは「空気伝播音」と「固体伝播音」の2種類の音を出しており、それぞれ別の対策が必要
- ピアノの防音対策として、楽器演奏が可能な物件に引越す方法があるが、費用が高いのがデメリット
- ピアノ自体の防音対策をする方法があるが、音が変わるのがデメリット
- 部屋に防音グッズを設置する防音対策が一番おすすめで、壁、窓、床それぞれに防音対策を施す
3つ目の方法でピアノの防音対策をする方は、空気伝播音である「ピアノの音色」と、固体伝播音である「打鍵の振動音」の両方を軽減してくれるMUTEの防音マット「防音専科(ピアノ用マット)」がおすすめです!
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