隣の工場からの騒音がうるさい時の防音対策!通報したい気持ちを抑える方法

隣の工場からの騒音がうるさい時の防音対策!通報したい気持ちを抑える方法

工場からの騒音により、「眠れない」「集中して仕事ができない」などの問題を抱えている人は少なくありません。ストレスで我慢の限界にきている人は通報も考えていることでしょう。

本記事では、工場の騒音の大きさの程度や騒音規制法、防音対策についてご紹介しましょう。

 

1. 工場の騒音の大きさは何デシベル?

工場の音の大きさ

一般的な騒音値と騒音発生源の感じ方の目安によると、騒々しい工場の中は90デシベル(dB)とされています。90dBはうるさくて我慢できないほどの大きさであり、「極めてうるさい音量」に分類されます。90dBの例に挙げられるものの例は、以下の通りです。

  • 店内中央のカラオケの音
  • 5m離れたブルドーザーの音
  • 5m離れた犬の鳴き声

90dBほどにもなると、振動も発生します。家具が激しく揺れ、不安定な物が倒れるレベルと聞くと、工場の音はかなりの騒音であるということが分かるでしょう。

また、工場の騒音は、扱う製品や工程によっても異なります。例えば、金属加工を行う工場の場合、金属を切断するせん断機、圧力を加えて形を整形するプレス機などを使うときには大きい音がするでしょう。一方、電子部品の組み立てや食品加工の工場であれば、それほど大きな音がしない場合が多いです。

 

2. 騒音規制法で定められる工場の騒音基準は?

「騒音規制法」とは、工場や事業場、建設作業、自動車などから発生する騒音を規制する法律です。騒音規制法では、発生する騒音について規制する必要の程度に応じ、夜間や昼間などの基準の範囲内において、規制基準を定めています。

たとえば、指定区域内で特定施設(金属加工機械、空気圧縮機および送風機、織機、建設用資材製造機械など)を設置している工場・事業場だと、騒音に対する規制の基準は、以下の通りです。

区域/時間 昼間 朝・夕 夜間
第1種区域 45~50dB 40~45dB 40~45dB
第2種区域 50~60dB 45~50dB 40~50dB
第3種区域 60~65dB 55~65dB 50~55dB
第4種区域 65~70dB 60~70dB 55~65dB

 

表を見ると、最初にご紹介した工場の音の大きさが「90db」なのに対して、厳しい基準だと思われたかもしれません。補足すると、「90db」はあくまで工場「内」での数値なので、工場外で聞こえる音は一般的に下記の音に収まっています。(収まっていないと、騒音規制法を破っていることになります)

 

【区域】

  • 第1種区域:良好な住宅の環境保全のため、特に静穏の保持が必要な区域
  • 第2種区域:住宅用の地域のため、静穏の保持が必要な区域
  • 第3種区域:住宅、商業、工業用の地域であり、住民の生活環境の保全のため、騒音の発生防止が必要な区域
  • 第4種区域:工場が主な用途であり、住民の生活環境を悪化させないため、著しい騒音発生を防止する必要がある区域

【時間帯】

  • 昼間:午前7時または8時から午後6時、7時または8時まで
  • 朝:午前5時または6時から午前7時または8時まで
  • 夕:午後6時または7時から午後9時、10時または11時まで
  • 夜間:午後9時、10時または11時から翌日の午前5時または6時まで

 

3. 工場からの騒音対策

工場からの騒音がうるさい場合、自分で対策することも可能です。ここでは、窓と壁の防音対策について詳しく解説します。

3-1. 窓の防音対策

簡単に窓の防音対策をしたい場合は、「隙間テープ」「防音カーテン」を使いましょう。

3-1-1. 隙間テープ

防音テープ

隙間テープは、窓サッシの隙間に使います。ホームセンターや100円ショップでも販売しているので、手軽に対策できる方法です。隙間テープには隙間風を防ぐ効果もあり、冷暖房効率の向上にも役立ちます。

なお、隙間テープで防げる音は、空気伝播音といって空気中を伝わる音です。たとえば、工場からの「機械のモーター音」や「製造機器の音」などになります。

 防音テープの防音効果は?おすすめは?100均でもいい?

 

3-1-2. 防音カーテン

防音カーテン

防音カーテンは、防音性が高い素材が使われたカーテンです。窓を通して入ってくる音を抑えることができます。

1点、カーテンレールの上には隙間があるため、そこから音が入ってきてしまいます。完全に音を遮断したい場合は、窓の横の隙間にマチが付いているカーテンを使ったり、カーテンレールカバーを被せたりするとよいでしょう。

 防音カーテンって効果ある?防音効果と選ぶ際の4つのポイントを解説!

 

3-1-3. 内窓(二重窓)を設置する

二重窓

二重窓は、内窓を取り付けることで、空気の層を作り、音の伝導を軽減する方法です。二重窓はDIYでも作れますが、業者に設置してもらった方が効果が期待できます。

 二重窓(二重サッシ)の防音効果はどのくらい?工事とDIYの費用の差は? 

 

3-2. 壁の防音対策

壁の防音対策をしたい場合は、「壁に吸音材を貼る」「家具を壁から少し離して配置する」方法があります。

3-2-1. 壁に吸音材を貼る

防音パネル

吸音材などを壁に貼ることで、壁から入ってくる音を軽減させます。

賃貸の場合は、原状回復しなければなりません。壁に貼ることで傷つく可能性がある場合、吸音パーテーションを壁に立てかける形で使うのをおすすめします。

  防音パネル(防音ボード)って効果ある?選び方と使い方を解説

 

3-2-2. 家具を壁から少し離して配置する

家具の配置

背の高い本棚や収納棚がある場合は、そこに洋服や本をたくさん詰め込み、工場のある側の壁に配置しましょう。防音壁のようになるため、ある程度の音を遮ることができます。家具を配置する場合は、壁から少し離すのがポイントです。隙間を空ければ空気層が作れるので、音を和らげられます。

 

まとめ

  • 工場の音は90dBで、「極めてうるさい音」に分類される
  • 90dBは、家具が激しく揺れる音量
  • 工場の騒音は、その工場が扱っている製品や工程によっても異なる
  • 騒音規制法とは、工場や事業場、建設作業などから発生する騒音を規制する法律
  • 工場・事業場では、時間・区域ごとに異なる規制基準が設けられている
  • 隙間テープや防音カーテン、内窓の設置により窓の防音対策が可能
  • 防音パネル、パーテーション、家具の配置などで、壁の防音対策が可能

 

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