自宅で歌や楽器をレコーディングする「宅録」。スタジオのレンタルと異なり、時間を気にせずに何度も取り直せるのが魅力ですが、「歌ってみた」などをする場合、音が大きいと騒音トラブルの恐れがあります。
そこで今回は、宅録により出る音の大きさや、賃貸でもできる宅録の防音対策について解説します。
1. 宅録の種類と音の大きさ
まずは、宅録でレコーディングする、歌・楽器・ナレーションがそれぞれどれくらいの音の大きさなのか、音の単位db(デシベル)を使って解説します。
1-1. 歌
マイクを使うか、生歌で歌うか、どれくらいの声量で歌うかなど様々な要因がありますが、声楽を参考にすると、歌の大きさは90~110dbです。90〜110dbは日常生活にあてはめると、目の前で犬が吠える声や地下鉄の構内、ガード下で聞く電車の通過音に該当します。
1-2. 楽器
楽器は種類によって音の大きさが異なります。代表的な楽器の音の大きさの目安を以下にまとめました。
楽器 | 音の大きさの目安 |
ギター | 70~120db |
ピアノ | 90db |
ドラム | 130db |
金管楽器 | 70~95db |
木管楽器 | 100~110db |
宅録に多い、ギター、ピアノ、ドラムについては、最高で130db、最低で70dbくらいの音が響きます。70dbはセミの鳴き声、110〜120dbは目の前で自動車のクラクションが鳴ったときの音や、飛行機のエンジン音にも該当する音量です。
1-3. ナレーション
ナレーションの大きさは40~60dbくらいです。普通の声の大きさが60dbで、ささやき声が40dbなので、抑揚や強弱をつけて話すナレーションは40~60dbの幅になるでしょう。なお、大きな声で話す場合は、70dbとなりギターと同程度の音の大きさとなります。
2. 騒音になる基準は?
宅録のそれぞれの音の大きさが分かったところで、隣にはどれだけ聞こえているか、またその音が騒音になる基準をご紹介しましょう。
2-1. 宅録は隣にどれだけ聞こえる?
結論、マンションやアパートは、同じ音量であっても建物の構造によって隣近所への音の伝わり方が異なります。
目安となるのは壁の遮音等級「D値」です。D値は、そのまま何デシベルの音を軽減するかを表すと思ってください。
たとえば、木造アパートとRC造のマンションがあったとします。
木造アパートの壁の遮音等級は「D-35」です。歌声の大きさが「90db」とすると、90-35の「55db」が隣の部屋に聞こえてきます。
一方、RC造のマンションの壁の遮音等級は「D-55」です。同じように計算すると、90-55の「35db」が隣の部屋に聞こえてくるというわけです。
2-2. 環境省の基準
環境省の『騒音に係る環境基準について』によると、専ら住宅用になっている地域は、6~22時の昼間は「55db以下」、22時~翌6時の夜間は「45db以下」の音が騒音の基準となっています。
よって、木造の建物で宅録する場合は、基準をオーバーする可能性があるため、必ず防音対策が必要です。一方、RC造の場合は、そこまで聞こえていない可能性が高いですが、築年数が古い場合や壁が薄い場合は、想定よりも軽減できる遮音性能が低くなります。よって、RC造の場合でも、防音対策をする方がいいでしょう。
3. 宅録する際の防音対策
ここからは今住んでいる部屋でできる宅録スペースの選び方や防音対策について解説します。
3-1.宅録スペースを選ぶ
まずはどこで宅録をするか決めましょう。宅録スペース選びのポイントは、以下の通りです。
ポイントは、次の2つです。
- 隣の家から離れた位置にある
- 最低限のスペースにする
①隣の家から離れた位置にある
隣の家と接している部屋で宅録するのは注意。壁の遮音性によっては、騒音トラブルになる可能性が高くなります。宅録できる部屋が、接している部屋しかない場合は、できるだけ遠い位置に宅録スペースを設けましょう
②最低限のスペースにする
スペースは最低限にしましょう。おすすめはクローゼットのような小さいスペースです。収納物や衣類をそのままにする場合は防音材として活用できます。衣類を出す場合は、スペースが小さい分、自分の声や出した音の反響が聞こえるメリットがあります。また、スペースが小さい分、防音グッズを買う費用も少なくて済むからです。
2-2.宅録スペースを防音対策する
宅録で防音対策すべきポイントは壁と床の2点です。
壁は、吸音材や防音パーテーションを使用しましょう。自分の声が出る方向に対しては特に重点的にすると効果的です。ピアノやギターなどの楽器は音が全体的に広がるので、全面的に吸音材を設置しましょう。
床について、宅録だと不要だと思わられるかもしれませんが、足音の振動音対策として必要になります。歌っているときの足の動きやドラムやピアノの振動音は吸音材では防げません。防音マットを用いて、振動音を対策しましょう。
おすすめはMUTEの防音マット「防音専科」です。最大82%の音をカットする防音性能を持ち、足音の振動音だけではなく、楽器の音色なども軽減します。
まとめ
- 歌声:90~110db、楽器:70~130db、ナレーション:40~60db
- 騒音の基準は、昼で55db、夜で45db
- 宅録スペースは「隣から遠い」「最低限の大きさ」がポイント
- 宅録の防音対策は、吸音材で壁、防音マットで床を守る
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