「上の住居人の生活音が騒がしくて困っている」
「騒音被害で訴えた場合は勝てるの?」
マンションなどの集合住宅に住んでいる方の中には、一度は騒音に悩んだ経験のある方も多いのではないでしょうか。
騒音の程度によっては日常生活や精神に支障をきたすこともあるため、裁判や警察への相談も視野に入れた方もいることでしょう。
こちらでは、騒音被害で実際に訴えた判例や裁判の費用、裁判以外で騒音被害を解決する方法を解説します。
1. 騒音になる基準
騒音被害に困っている場合、どのような音が騒音に該当するのか気になりますよね。環境省では、「騒音に係る環境基準について」として騒音の基準を示しています。
ご自身が住んでいる家の地域は、どれくらいの音で騒音とみなされるか一つの参考にしてください。
2. 騒音に関する裁判の判例
騒音トラブルが裁判に発展したケースはいくつかあります。騒音に関する過去の判例をご紹介しましょう。
2-1. 判例①:飼い犬の鳴き声の騒音
原告は近隣の飼い犬の鳴き声により睡眠障害を伴う神経症を発症するなど精神的苦痛から、損害賠償約182万円を請求。結果、被告は犬の鳴き声を低減させるために対処をしていなかったことなどから、慰謝料・各種損害金・弁護士費用など合計38万円及び遅延損害金が命じられました。
参考:むらかみ法律事務所「騒音の判例・裁判例」
2-2. 判例②:園児が遊ぶときの声
保育園の近隣に居住する原告は、受忍限度を超える保育園児の遊ぶ声により日常生活に支障をきたしたとして、慰謝料100万円・遅延損害金・騒音の停止を求めて訴訟。しかし、保育園児の声は受忍限度を超えていないとして、棄却されました。
参考:小野田 一雄「保育園の園児から発生する声等の騒音が受忍限度を超えているとした、近隣住民の慰謝料及び防音設備設置の請求が棄却された事例」
2-3. 判例③:階上の子供の足音
マンションに居住する原告が、真上の部屋に子どもと居住する被告に対して、子供が毎晩深夜まで走り回るなどの騒音を発生させたとして、損害賠償及び騒音の差止を求めて提訴しました。判決としては、騒音は原告らの受忍限度を超えており、被告の不法行為であるとして、騒音の差止め及び合計約140万円の損害賠償が命じられました。
参照元:石原賢太郎「分譲マンションにおける階上の部屋の子供による騒音につき不法行為が認められ、騒音の差止」
3. 騒音の裁判は勝てる?勝てない?
一般に騒音被害による裁判は「受忍限度を超えているか」が争点となります。受忍限度とは、社会生活を営む上で騒音・振動などの被害の程度が社会通念上、我慢できるとされる範囲を指します。上記のとおり騒音被害の基準が具体的に定められていません。そのため、騒音の内容や程度、騒音を発生させる者が、騒音を防止したり軽減させたりする対策を行ったかなどを総合的に考慮して判断されます。よって、騒音の記録が絶対というわけではないため、騒音の裁判は勝てるといは一概に言えないでしょう。
参考:ベリーベスト法律事務所「騒音トラブルに対処するなら弁護士に相談|損害賠償の請求方法などを解説」
4. 騒音の裁判に使える証拠
騒音被害による裁判が難しいとはいえ、騒音被害の程度を示す証拠をしっかり準備することによって、勝訴になる確率を高めることができます。
騒音の裁判に使える証拠としては、以下のようなものが挙げられます。
- 騒音発生者宛の文書や内容証明郵便
- 騒音の状況や日時を記録した日記・メモ
- 騒音計を使用した測定記録
- ビデオカメラやボイスレコーダーを使用した騒音の録音
- 診断書(騒音に起因して通院などしている場合)
このように、第三者が見ても定量的・定性的に騒音だと判断できる証拠を集めておくことが大切です。
なかでも、最も重要な証拠となるのは騒音計を使用した測定記録ですが、騒音計で測定できるのは音量のみであるため、何の音によって騒音になっているのかを証明する補完材料としてビデオカメラやボイスレコーダーにより騒音を録画・録音するのが重要です。
参考:むらかみ法律事務所「マンションの上階の部屋からの騒音でお困りの方へ」
5. 裁判にかかる費用はどれくらい?
民事裁判にかかる費用は、訴訟費用と弁護士費用に大別でき、以下のとおりです。
5-1. 訴訟費用
- 郵便代:¥5,000〜¥7,000前後
- 裁判記録の謄写費用:¥20〜¥50/枚
- 証人への日当:¥10,000
- 収入印紙代:以下のとおり
訴額 | 手数料 |
〜¥1,000,000 | ¥100,000ごと¥1,000 |
¥1,000,001〜¥5,000,000 | ¥200,000ごと¥1,000 |
¥5,000,001〜¥10,000,000 | ¥500,000ごと¥2,000 |
¥10,000,001〜¥10,000,000,000 | ¥1,000,000ごと¥3,000 |
¥10,000,000,001〜¥50,000,000,000 | ¥5,000,000ごと¥10,000 |
¥50,000,000,001~ | ¥10,000,000ごと¥10,000 |
5-2. 弁護士費用
- 弁護士への相談料:¥5,000~10,000(30分程度の相談の場合)
- 弁護士への着手金:定率(訴額の5〜10%)/定額(10万、15万)
- 成功報酬金:定率(回収金の10〜20%)/定率+定額(○%+○円)
- 日当:¥10,000〜90,000
- 実費:場合による
このように、裁判にかかる費用は訴額によって大きく異なることがわかります。
参考:裁判所「手数料額早見表(単位:円)」、アトム法律事務所「民事裁判にかかる費用は訴訟費用と弁護士費用|負担を減らす方法はある?」
6. 騒音を解決する方法
ここまで騒音被害の裁判で勝訴するための証拠や費用などを解説しましたが、手間や金銭面を考えるとできれば裁判を検討する前に解決したいですよね。ここでは、裁判をせずとも騒音トラブルを解決する方法をご紹介します。
- 管理会社に相談する
- 警察に相談する
6-1. 管理会社に相談する
騒音を解決する方法として、まずは管理会社に相談することがおすすめです。
マンションなどの集合住宅の管理会社は、住居人の住環境を守ることが業務です。そのため、一般的に騒音に関する相談をした場合は、騒音発生者に注意喚起などを行ってくれます。
特に、上の階の騒音に悩んでいる場合は、防音マットの設置を依頼するのも良いでしょう。なかでも、おすすめはMUTEの防音マット「防音専科」。最大82%の騒音をカットする防音マットであり、上の階からの騒音トラブルから解放されます。部屋の間取りを選ばず設置できるため、比較的受け入れてもらいやすいでしょう。
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6-2. 警察に相談する
夜間や早朝など、管理会社が対応できない時間帯に騒音がひどい場合は、警察に相談することもできます。騒音発生者に直接注意してくれるので、効果が期待できます。
まとめ
- 騒音の基準は人によるため一概に判断しづらい
- 騒音の裁判で勝訴するためには受忍限度が超えていることを示す証拠集めが重要
- 騒音被害の裁判にかかる費用は訴額によって大きく異なる
- 騒音を解決する方法としては管理会社や警察への相談がある
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