ドアにできる防音対策にはどのようなものがあるのでしょうか。
本記事では、音の種類や伝わり方、ドアの防音対策でできること、DIYのアイデアなどを詳しくご紹介します。簡単に行える対策もたくさんあるため、記事を参考にリフォームの費用とも比較して実践してみましょう。
1. ドアへの音の伝わり方
まず、ドアには音がどう伝わっているか解説しましょう。そのためには音の種類について理解する必要があります。日常にあふれる音は、「空気伝播音」と「固体伝播音」の2種類に分けることができます。
1-1. 空気伝播音
「空気伝播音」とは、空気の振動によって伝わる音。具体的には、人の話し声や楽器の音色、テレビ、スピーカーの音などです。窓やドアの隙間、床下、天井裏の空気などを介して音が伝わり、障害物があると音の大きさが低減します。
つまり、ドアをはじめ床、壁、カーテン、床などに対して防音対策を講じることで、「空気伝播音」にあたる音の対策ができるのです。
1-2. 固体伝播音
「固体伝播音」は、床や壁の振動で伝わる音。具体的には、足音や椅子を引く音などです。「固体伝播音」の音を伝える元となるものは固体です。空気のような気体や液体と比べ密度が高い上に、音を伝えやすい特徴があるため、対策を取るのが難しいだけでなく、より遠くまで伝わりやすい音でもあります。
2. ドアの防音対策で防げる音
先ほどご紹介した通り、ドアの防音対策で防げる音は「空気伝播音」です。
空気伝播音は、ドアやカーテンなどで空気を遮ることで低減できます。日常生活で耳にする主な空気伝播音とその音の大きさをご紹介しましょう。
音の例 | 音の大きさ |
人の話し声 | 60db |
テレビの音 | 60db |
ピアノの音 | 80db |
掃除機の音 | 60db |
洗濯機の音 | 60db |
ドアの防音対策ではこれらの音を完全になくすことはできませんが、対策によって低減させられます。予算やどの程度の防音をしたいかによって、対策方法を選びましょう。
3. リフォームでのドアの防音対策
リフォームで防音対策する場合に覚えておくべき用語とリフォーム方法を紹介します。
3-1. ドアの遮音性能を示す「T値」とは
防音対策のためのリフォームをする場合に覚えておくと良い遮音性能を示す指標に、Dr値・T値・L値というものがあります。この値は、それぞれ以下の遮音性能を示すものです。
- Dr値:壁、建具
- T値:ドア、窓・サッシ
- L値:床
ドアのリフォームを行う際の指標になる「T値」は、日本工業規格(JIS)が定めた基準に基づき、T-1・T-2・T-3・T-4の4等級に分類されている指標です。ドアを閉めた際の静かになる程度を表しており、数字が大きいほど遮音性能が高いとされています。
防音のために必要な部屋ごとのT値の指標は、以下です。
- T-4:レコーディングスタジオ
- T-3:映画館・音楽教室
- T-2:会議室・カラオケルーム
- T-1:一般的な部屋
どの等級のドアを選ぶかは、リフォームする部屋の用途に基づくとよいでしょう。
3-2. リフォーム方法①:防音ドアにする
防音ドアとは、名の通り、防音性が高いドアです。防音性が高い素材や構造、ゴムパッキンの設備などによって、「空気伝播音」を抑えることができます。また、通常の生活音対策以上の用途、例えば、シアタールームやピアノ演奏をする部屋などに利用されます。
なお、防音ドアの素材はさまざまです。スチール製のドアは、重量があり、より振動を防げるため、最も防音性の高いです。木製のドアは、スチール製のものと比較し防音性能が劣りますが、デザインが多くお家のイメージに馴染みます。
一方デメリットとして、音をしっかり防ぐために重量があるため、開閉に力が必要になる場合もあります。また、ドアを購入する以外に、ドアを一度外して新しいものを取り付ける工事が必要になるため、設置に費用がかかります。
3-3.リフォーム方法②:二重ドア(二重扉)にする
二重ドアにするリフォームとは、今ある扉とは別に1枚扉を設置し、二重にするものです。
マンションのエントランスや商業施設で見かけることがあるでしょう。これは、防音対策のほかに、空調効果を高めたり、風の侵入対策になったりするためです。一般家庭に導入するときは、防音対策のためだけでなく、雪国で空調や防風対策のために取り付けることもあります。
なぜ二重ドアにすると防音対策になるのか。二重ドアは隙間を開けて設置されるため、その隙間に空気の層が生まれます。この空気の層が「空気伝播音」を遮える役割があるのです。
しかし、先述のように音には空気で伝わる音のほかに、固体の振動で伝わる「固体伝播音」があります。固体伝播音は二重ドアで防ぐことはできません。また、二重ドアにしたからといって完全に音を防ぐことはできません。
4. 防音グッズDIYでのドアの防音対策
リフォームで防音対策をすると、高い効果が期待できますが、工事が必要になり費用もかかります。そのため、自分でも気軽にできる防音グッズを使用したDIYでの防音についても解説します。
4-1. 防音シート
防音シートを用いた対策は、簡単に行える防音対策の一つです。一般的に防音シートと呼ばれているものは、音を吸収する「吸音シート」や音を遮る「遮音シート」のことを一括りで防音シートを呼んでいます。
専用のシートを購入して、壁に貼り付けるだけで簡単にできるため、DIYでも気軽に防音対策ができ、自宅でも取り入れやすいでしょう。
4-2. 防音テープ
空気を介して音が伝わる「空気伝播音」は、ドアの隙間からも漏れていきます。そのため、防音テープを使って隙間を埋める対策も効果的です。
ドアの隙間に貼るための専用テープも市販されていますが、フェルトテープやEPDMゴム発泡体が使われているエプトシーラーも防音対策に利用できます。また、100円ショップでも隙間テープが購入できるため、ほかの対策をする前に一度試してみるのもよいでしょう。
4-3. 防音カーテン
吸音効果の高い素材を使用した防音カーテンも、対策に効果的。より効果の高いものを選ぶ際には、布地が3層や4層になっていて空気層をつくり、音の吸収を高める効果があるものを選ぶとよいでしょう。日常生活の音であれば3層、ピアノのような楽器音への対策も行う場合には、4層のものを選ぶのがおすすめです。
また、外からの音に対して防音対策をしたい場合は、遮音効果のある素材のカーテンを選ぶようにしましょう。
5. リフォームとDIYの比較
防音ドアに取り替えるリフォーム費用は、ドアのグレードや工事規模により差がありますが、10万〜35万円ほどです。また、工事は一日あれば終わるケースがほとんどのため、工事の立ち会いを何日もしなければいけないことはありません。
対してDIYの場合、簡易的な対策であれば100円ショップで購入できるものを利用するのでお金をかけずに始められます。
費用 | 工数 | 効果 | |
リフォーム | 10~35万 | 1日 | 大 |
DIY | 100円~ | 1日 | 小~中 |
まずは簡単に行えるもので対策をしてみてから、リフォームを検討してもよいでしょう。
まとめ
- 音の種類には「空気伝播音」と「固体伝播音」の2種類がある
- ドアの防音対策で防げるのは、空気の振動によって伝わる「空気伝播音」
- 防音ドアは素材や構造、設備によって空気伝播音を防ぐ
- 一般的な部屋の防音ドアにはT値のT-1以上のものを選ぶ
- 二重ドアはドアの間に空気の層をつくることで「空気伝播音」を和らげる
- DIYの防音対策グッズは100円ショップでも購入できる
- 防音ドアにリフォームするには10〜35万円ほどかかる
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