マンションの構造でよく聞かれる、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)。
似た名前の構造にRC造(鉄筋コンクリート造)がありますが、防音性能を考えると、SRC造とRC造のどちらがよいのでしょうか。
また、他の構造と比較して、SRC造の防音性はどれほど高いのでしょうか。本記事では、SRC造の遮音性について解説します。他の構造との比較も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
1. SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)とは?
SRC造とは、Steel Reinforced Concrete Constructionの略で、鉄骨の柱の周りに鉄筋を組み、コンクリートを流し込んだ構造のことです。大型のマンションやビルなど、大規模な物件はSRC造が多い傾向にあります。
1-1. SRC造とRC造の違い
SRC造とRC造との大きな違いは、柱と梁(はり)に鉄骨の芯が入っていること。耐用年数が47年と同じであったり、どちらも耐火性に優れていたりしますが、SRC造は、RC造(鉄筋コンクリート造)の持つ耐久性に加え、しなやかさと粘り強さを兼ね備えた構造になっています。その分建築コストが高いですが、遮音性や耐震性もSRC造の方が高いです。
2. SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)の遮音等級
遮音等級とは、建物や部屋の壁・床などがどれだけ遮音(音を遮断して外に漏れさせないようにすること)できるかを示す指標です。床の遮音性能には「L等級」が用いられ、数値が小さいほど性能がよくなります。
2-1. SRC造は遮音等級「L-40」
SRC造の遮音等級は「L-40」です。日本建築学会によると、集合住宅は「L-40」以上が望ましい水準とされています。
遮音等級「L-40」は、物の落下音がほとんど聞こえない、足音や走り回る音がかすかに聞こえる程度とされています。また、マンションやアパートなどの賃貸物件における生活実感としては、気配を感じるが気にならない程度です。
2-2. SRC造と他の構造との比較
他の構造との防音性能について、以下の表にまとめました。
遮音等級 | 建物構造 | 音の聞こえ方 |
L-75 | 木造 | 隣室のテレビや電話の音など、生活音がかなり聞こえる |
L-70 | L-75より多少よいくらいのレベルで大差はあまりない | |
L-65 | 軽量鉄骨造 | 多少の音量は軽減されるものの、生活音はほとんど聞こえる |
L-60 | 重量鉄骨造 | 足音やドアの開閉音や振動を伴う音が聞こえる |
L-55 | 洗濯機や掃除機は少し聞こえるが気にならない | |
L-50 | RC造 | 子どもの泣き声や走り回る音は聞こえる |
L-45 | 子どもの泣き声や走り回る音は少し聞こえる | |
L-40 | SRC造 | 防音性が高く外からの音も軽減されている |
L-35 | 日常生活で気になるような音はほぼ聞こえてこない |
参考:日本建築学会編「建築物の遮音性能基準と設計指針」
上記の表を見ると、SRC造は防音性が一番高いということがわかります。SRC造であれば、外からの音はもちろん、生活音や子どもの足音などをそれほど気にせず暮らせるでしょう。一方、RC造になると遮音等級が「L-50」となり、子どもの鳴き声や走り回る音が聞こえるほどとなっています。
騒音トラブルに悩まされない家を探すなら、SRC造の物件を選ぶのが安心だといえるでしょう。
3. SRC造のマンションの注意点
ここまでSRC造の遮音性の高さについて解説してきましたが、ここらは注意点もご紹介します。
3-1. 厚みによって遮音性は変わる
いくらSRC造の構造と言えど、厚さによって防音性は変わります。床下には「コンクリートスラブ」と呼ばれる部分があります。例えば、この厚みが150mmと200mmのマンションがあったとして、どちらの方が遮音性が高いと言われればもちろん「200mm」の方です。古いマンションでは床の厚さが15センチのものがありますが、遮音性の高さを求めるなら200mm以上のマンションを選ぶと良いでしょう。
参考:一級建築士日本大学名誉教授井上勝夫「マンションの音のトラブルを解決する本」
2-2. マンショントラブルの1位は騒音トラブル
構造関係なく、マンション住まいは騒音トラブルと密接な関係にあります。
株式会社ジャストイットのアンケートによると、マンショントラブルで一番多いのは騒音トラブル(80%)でした。また、騒音トラブルの主な内容は、以下の通りです。
参考:株式会社ジャストイット 分譲マンショントラブルに関する調査
この結果からもわかるように、騒音トラブルの中で一番多いのが「子どもの足音が聞こえる」でした。対策すべき音は、床への衝撃音だといえるでしょう。高い遮音性を誇るSRC造ですが、100%音を遮断せきるわけではありません。楽器を演奏したり大きな声で歌ったりする、小さな子どもがいる場合、他の住民にうるさいと思われてしまう恐れは十分あります。
もし小さなお子様がいて、下の階への防音対策をしたい場合は、MUTEの防音マット「防音専科」がおすすめです。防音専科は、マット単体でSRC造の物件の遮音等級を超える「LL-35」(ΔLL-6)の防音マットです。最大82%の騒音をカットし、椅子の移動音や物の落下音をほとんど聞こえにくいレベルに落とします。
まとめ
- SRC造は、鉄骨の柱の周りに鉄筋を組み、コンクリートを流し込んで施工した物件
- マンションやビルなどの大規模な物件はSRC造が多い
- RC造との違いは、柱と梁に鉄骨の芯が入っていること
- SRC造は、耐火性・遮音性・耐震性に優れている
- SRC造の遮音性能はL-40で、他の構造と比較して高い
- コンクリートスラブの厚みによって防音性は変わる
- マンションのトラブルは騒音トラブルが1位
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