マンションやアパートで採用されている鉄骨造(S造)。鉄骨造と聞くと防音性が高いイメージですが、実際のところどれくらいの防音性があるのでしょうか?
また、他の構造と比べてどの程度の遮音性を持っているのかも気になるところです。本記事では、そんな鉄骨造の遮音性について解説しましょう。
1. 鉄骨造(S造)とは?
鉄骨造とは、建物の柱や梁(はり)などの骨組みに鉄骨(Steel)を用いた構造のことです。マンションやアパート、ビルなど比較的大きな建物のほか、一戸建てや工場、倉庫などにも用いられる構造です。
鉄骨造には、「重量鉄骨造」と「軽量鉄骨造」の2種類があります。2つの違いは、鋼材の厚さです。鋼材の厚さが6ミリ以上のものを重量鉄骨造、6ミリ未満のものを軽量鉄骨造と呼びます。それぞれの違いを、詳しく解説していきましょう。
1-1. 軽量鉄骨造
木造の建設に使われる「木造軸組構造」という工法の鉄骨版が、軽量鉄骨造です。建物の部材を工場で造り、現場で組み立てる「プレハブ工法」が多く用いられており、工期が短いという特徴があります。耐久性を表す法定耐用年数は、住宅の場合、骨格材の肉厚が4ミリを超えるものは34年、3ミリを超えて4ミリ以下のものは27年、3ミリ以下のものは19年です。軽量鉄骨造は、住宅や賃貸住宅で、2・3階建ての低層住宅でよく採用されています。
重量鉄骨と比べて鋼材の厚みが薄いので、材料費が安い点がメリットです。その分、重量鉄骨造よりも耐震性に劣りますが、構造計算上で耐力が確保されていれば問題ありません。軽量鉄骨造は、鉄骨の数が多く複雑です。そのため、リフォームしたい場合は、間取りが制限されてしまう恐れがあります。また、他の構造と比べると通気性・断熱性・耐火性が低いというデメリットもあります。
1-2. 重量鉄骨造
高層ビルやマンションなどの大きな建物は、重量鉄骨造が用いられることが多くあります。重量鉄骨造では、建築物の重さを柱と梁で支える「重量鉄骨ラーメン構造」が多く用いられています。重量鉄骨造の耐用年数は、住宅の場合、34年です。
柱や梁が太く、少ない柱でも大きな空間が作れるという特徴があります。また、耐震性が高い点もメリットです。
鋼材の生産や移動・組み立てには、軽量鉄骨造以上のコストが必要です。地盤を安定させるための基礎工事や鋼材の生産に時間がかかるため、建築期間が長くなる傾向にあります。
2. 鉄骨造(S造)の遮音等級
それでは鉄骨造はどらくらいの防音性があるのでしょうか。参考になるのは「遮音等級」です。遮音等級とは、建物や部屋の壁・床などがどれだけ遮音(音を遮断して外に漏れさせないようにすること)できるかの指標のこと。床の遮音性能には「L等級」が用いられ、数値が小さいほど性能がよくなります。
2-1. 鉄骨造は、遮音等級「L-60」(重量)、「L-65」(軽量)
鉄骨造の遮音性は、重量鉄骨造が「L-60」で、足音やドアの開閉音や振動を伴う音が聞こえる程度です。一方、軽量鉄骨造は「L-65」で、多少の音量は軽減されるものの、生活音はほとんど聞こえる程度とされています。
鉄骨アパートや鉄骨マンションは、人の話し声が聞こえるほどではありません。しかし、重量・軽量どちらとも生活音が聞こえてくるため、うるさいと感じてしまう可能性があるでしょう。
2-2. 他の構造との防音性能の比較
他の構造との防音性能の比較について、以下の表にまとめました。
参考:日本建築学会編「建築物の遮音性能基準と設計指針」
表を見ると、鉄骨造は、木造よりは高い遮音性を持っているものの、RC造やSRC造と比べると音が気になりやすい構造であることがわかります。
3. 鉄骨造のマンションに住むときの注意点
鉄骨造のマンションなら木造より防音性があるから大丈夫と安心してはいけません。ここからは鉄骨造のマンションに住む際の注意点をご紹介します。
3-1. 日本建築学会の推奨は遮音等級「L-40」以上
ショックな事実ですが、日本建築学会によると、集合住宅は遮音等級「L-40」以上が望ましい水準とされています。つまり、鉄骨造の遮音性では、望ましい水準に達していないのです。上の表だと、水準を満たしているのは「SRC造」のみ。よって、鉄骨造にお住まいの場合は「防音対策」することをおすすめします。
3-2. マンショントラブルの1位は騒音トラブル
参考:株式会社ジャストイット 分譲マンショントラブルに関する調査
株式会社ジャストイットのアンケートによると、マンショントラブルの1位は、騒音トラブルでした。また、騒音トラブルの中で最も多かった悩みは「子どもの足音が聞こえる」、次は「物音がする」でした。
マンションやアパートなどでは騒音トラブルにならないために、「床の防音対策」が必要だといえるでしょう。もし小さなお子様がいて、下の階への防音対策をしたい場合は、MUTEの防音マット「防音専科」がおすすめです。防音専科は、マット単体でSRC造の物件の遮音等級を超える「LL-35」(ΔLL-6)の防音マットです。最大82%の騒音をカットし、椅子の移動音や物の落下音をほとんど聞こえにくいレベルに落とします。
まとめ
- 鉄骨造は、建物の柱や梁などの骨組みに鉄骨を用いた建物のこと
- 鋼材の厚さが6mm以上→重量鉄骨造、6mm未満→軽量鉄骨造
- 重量鉄骨造の遮音等級はL-60、軽量鉄骨造の遮音等級はL-65
- S造の遮音等級は木造よりも高いが、SRC造やRC造よりは低い
- 鉄骨造の住んでいる場合、防音対策がおすすめ
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