鉄骨造(S造)の建物の防音性能とは?

鉄骨造(S造)の建物の防音性能とは?

鉄骨造(S造)の防音性能とは?遮音等級や他構造との比較を徹底解説

重量鉄骨造はL-60、軽量鉄骨造はL-65の遮音等級を持ちますが、日本建築学会推奨のL-40には及ばないため、防音対策が必要です。

マンションやアパートで採用されている鉄骨造(S造)。鉄骨造と聞くと防音性が高いイメージですが、実際のところどれくらいの防音性があるのでしょうか?

また、他の構造と比べてどの程度の遮音性を持っているのかも気になるところです。本記事では、そんな鉄骨造の遮音性について解説します。

 

1. 鉄骨造(S造)とは?

鉄骨造とは

鉄骨造とは、建物の柱や梁(はり)などの骨組みに鉄骨(Steel)を用いた構造のことです。マンションやアパート、ビルなど比較的大きな建物のほか、一戸建てや工場、倉庫などにも用いられる構造です。

鉄骨造には、「重量鉄骨造」と「軽量鉄骨造」の2種類があります。2つの違いは、鋼材の厚さです。

鋼材の厚さが6ミリ以上のものを重量鉄骨造、6ミリ未満のものを軽量鉄骨造と呼びます。それぞれの違いを、詳しく解説していきましょう。

1-1. 軽量鉄骨造

木造の建設に使われる「木造軸組構造」という工法の鉄骨版が、軽量鉄骨造です。

建物の部材を工場で造り、現場で組み立てる「プレハブ工法」が多く用いられており、工期が短いという特徴があります。

耐久性を表す法定耐用年数は、住宅の場合、骨格材の肉厚が4ミリを超えるものは34年、3ミリを超えて4ミリ以下のものは27年、3ミリ以下のものは19年です。

軽量鉄骨造は、住宅や賃貸住宅で、2・3階建ての低層住宅でよく採用されています。

重量鉄骨と比べて鋼材の厚みが薄いので、材料費が安い点がメリットです。その分、重量鉄骨造よりも耐震性に劣りますが、構造計算上で耐力が確保されていれば問題ありません。

軽量鉄骨造は、鉄骨の数が多く複雑です。そのため、リフォームしたい場合は間取りが制限される恐れがあります。

また、他の構造と比べると通気性・断熱性・耐火性が低いというデメリットもあります。

1-2. 重量鉄骨造

高層ビルやマンションなどの大きな建物は、重量鉄骨造が用いられることが多くあります。建築物の重さを柱と梁で支える「重量鉄骨ラーメン構造」が多く用いられています。

重量鉄骨造の耐用年数は、住宅の場合、34年です。

柱や梁が太く、少ない柱でも大きな空間が作れるという特徴があります。また、耐震性が高い点もメリットです。

鋼材の生産や移動・組み立てには、軽量鉄骨造以上のコストが必要です。地盤を安定させるための基礎工事や鋼材の生産に時間がかかるため、建築期間が長くなる傾向にあります。

 

2. 鉄骨造(S造)の遮音等級

それでは鉄骨造はどれくらいの防音性があるのでしょうか。参考になるのは「遮音等級」です。

遮音等級とは、建物や部屋の壁・床などがどれだけ遮音(音を遮断して外に漏れさせないようにすること)できるかの指標のことです。

床の遮音性能には「L等級」が用いられ、数値が小さいほど性能がよくなります。遮音等級には旧表記(L値)と新表記(ΔL値)があり、L値は数値が小さいほど高性能、ΔL値は数値が大きいほど高性能を示します。

2-1. 鉄骨造は、遮音等級「L-60」(重量)、「L-65」(軽量)

鉄骨造の遮音性は、重量鉄骨造が「L-60」で、足音やドアの開閉音や振動を伴う音が聞こえる程度です。

一方、軽量鉄骨造は「L-65」で、多少の音量は軽減されるものの、生活音はほとんど聞こえる程度とされています。

鉄骨アパートや鉄骨マンションは、人の話し声が聞こえるほどではありません。しかし、重量・軽量どちらとも生活音が聞こえてくるため、うるさいと感じてしまう可能性があるでしょう。

話し声が響く原因は、主に空気伝播音(会話・テレビ音など)と固体伝播音(足音・物音など)の2種類があります。重量鉄骨造では固体伝播音への対策が特に重要になります。

2-2. 他の構造との防音性能の比較

他の構造との防音性能の比較について、以下の表にまとめました。

建物構造と遮音等級

参考:日本建築学会編「建築物の遮音性能基準と設計指針」

表を見ると、鉄骨造は、木造よりは高い遮音性を持っているものの、RC造やSRC造と比べると音が気になりやすい構造であることがわかります。

 

3. 鉄骨造のマンションに住むときの注意点

鉄骨造のマンションなら木造より防音性があるから大丈夫と安心してはいけません。ここからは鉄骨造のマンションに住む際の注意点をご紹介します。

3-1. 日本建築学会の推奨は遮音等級「L-40」以上

ショックな事実ですが、日本建築学会によると、集合住宅は遮音等級「L-40」以上が望ましい水準とされています。

つまり、鉄骨造の遮音性では、望ましい水準に達していないのです。上の表だと、水準を満たしているのは「SRC造」のみ。よって、鉄骨造にお住まいの場合は「防音対策」することをおすすめします。

3-2. マンショントラブルの1位は騒音トラブル

マンションの騒音トラブルの内容

参考:株式会社ジャストイット 分譲マンショントラブルに関する調査

株式会社ジャストイットのアンケートによると、マンショントラブルの1位は、騒音トラブルでした。

また、騒音トラブルの中で最も多かった悩みは「子どもの足音が聞こえる」、次は「物音がする」でした

マンションやアパートなどでは騒音トラブルにならないために、「床の防音対策」が必要だといえるでしょう。

もし小さなお子様がいて、下の階への防音対策をしたい場合は、MUTEの防音マット「防音専科」がおすすめです。

3-3. 防音専科の性能と特徴

防音専科は、マット単体で遮音等級LL35(ΔLL-6)を取得した防音タイルカーペットです。厚み17.5mmはタイルカーペットとして最厚クラスです。

高密度多層構造により重ね敷き不要、1枚で解決できます。最大82%の騒音をカットし、椅子の移動音や物の落下音をほとんど聞こえにくいレベルに落とします。

mybest(マイベスト)の防音マット比較検証では「ズレにくさ」部門1位を獲得。抗菌・防ダニ加工済みでエコテックス認証を取得しており、小さなお子様のいるご家庭でも安心です。水洗いも可能で衛生的に使えます。

3-4. 開発の背景とお客様の声

開発のきっかけは、自社スタッフの実体験です。子どもの足音で階下から苦情を受け、市販の防音マットを何層にも重ねても解決できませんでした。「子どもを叱ってしまうのが辛かった」という声から生まれた製品です。

軽量鉄骨造のアパートにお住まいの方からも、「体感ではっきりと子どもの足音が軽減された」という声をいただいています。

 

鉄骨造の防音についてのよくある質問

Q. 重量鉄骨造は防音性が低いって本当ですか?他の構造と比べてどうですか?

A. 重量鉄骨造の防音性はL-60で、木造より優れていますが、RC造・SRC造より劣ります。

日本建築学会推奨のL-40には達しておらず、集合住宅として理想的な防音性とは言えません。ただし、軽量鉄骨造(L-65)よりは5dB程度高い性能を持っています。

Q. 重量鉄骨造で話し声や足音が響きやすいのはなぜですか?原因は何ですか?

A. 鉄骨構造は音を伝えやすく、床の遮音性能がRC造より低いためです。

話し声は空気伝播音、足音は固体伝播音として伝わります。重量鉄骨造では特に固体伝播音(床衝撃音)への対策が重要になります。

Q. 重量鉄骨造のアパートやマンションで、自分でできる防音対策はありますか?

A. 床の防音マット設置が最も効果的なDIY対策です。

遮音等級LL35(ΔLL-6)以上のマットを選ぶことで、日常生活で気になるような音はほぼ聞こえない状態になると言われています。壁には吸音材の設置も有効です。

Q. 重量鉄骨造の物件を選ぶ際、内見時に防音性を確認するチェックポイントは?

A. 壁の厚み、隣室からの音、歩いた時の振動を確認しましょう。

壁を軽く叩いて響き具合を確認する、隣室や上下階の生活音を聞く、室内を歩いて床の振動を感じるかチェックすることが重要です。

Q. 専門業者に依頼する重量鉄骨造の防音工事の費用相場はどのくらいですか?

A. 床の防音工事は30〜80万円程度、壁は20〜50万円程度が相場です。

ただし、賃貸では大規模工事は難しいため、置くだけで設置できる防音マットがコストパフォーマンスに優れています。

Q. 軽量鉄骨造のアパートの防音性はどの程度ですか?

A. 軽量鉄骨造の遮音等級はL-65で、重量鉄骨造(L-60)よりさらに音が通りやすい構造です。

2・3階建ての低層アパートに多く採用されています。生活音がほとんど聞こえる程度のため、床の防音対策が特に重要になります。

Q. 空気伝播音と固体伝播音の違いは何ですか?鉄骨造ではどちらに注意すべきですか?

A. 空気伝播音は話し声・テレビ音、固体伝播音は足音・物音です。鉄骨造では固体伝播音対策が特に重要です。

鉄骨造の遮音等級(L-60〜L-65)は主に固体伝播音の指標のため、床の防音対策を優先することをおすすめします。

 

まとめ

鉄骨造は、建物の柱や梁などの骨組みに鉄骨を用いた建物のこと

鋼材の厚さが6mm以上→重量鉄骨造、6mm未満→軽量鉄骨造

重量鉄骨造の遮音等級はL-60、軽量鉄骨造の遮音等級はL-65

S造の遮音等級は木造よりも高いが、SRC造やRC造よりは低い

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