賃貸マンションで生活をしていると、騒音問題に敏感になる方も多いことでしょう。普段の「足音」が階下に響いていないかも気になるところですが、「ジャンプ」をする際は特に注意です。
なぜなら足音と違ってジャンプは意識的な動きなので、騒音の苦情を言われたときに、こちらの落ち度が大きく何も言えなくなるからです。
とはいえ、
- 子供が遊ぶときにジャンプする
- 運動のときにジャンプ運動をする
- 犬が喜ぶときにジャンプする
など、室内でジャンプすることは案外多いもの...。
そこで今回は、ジャンプで生じる音はどのような音なのか解説した上で、下の階に響かないようにする防音対策方法、ジャンプに耐えられるおすすめ防音マットについてご紹介しましょう。
1. ジャンプで生じる音はどんな音?
防音マットにはいろんな種類がありますが、室内でのジャンプに耐えられる防音マットはどのような防音マットなのでしょうか。
そこで大事なのが、そもそも「ジャンプで生じる音」がどのような音なのかを理解すること。
先に言うと、ジャンプで生じる音は床衝撃音と呼ばれる音です。その名の通り床への衝撃で発生する騒音を指します。
床衝撃音には、「①軽量床衝撃音(LL)」と「②重量床衝撃音(LH)」の2種類があります。それぞれどのような音なのか、ジャンプで生じる音がどちらに該当するか解説しましょう。
1-1. ①軽量床衝撃音(LL)
軽量床衝撃音(LL)は、軽くて硬い床への衝撃音。
音の印象としては、「コツン」「カラン」「カン」です。
具体的に言うと、ハイヒールの歩行やスプーンの落下が軽量床衝撃音(LL)になります。
軽量床衝撃音(LL)を測定する際は、子供の足音に似ているJIS A 1418-1に規定された標準軽量衝撃源(タッピングマシン)を使用して測定しています。
軽量床衝撃音(LL)を防音する場合、仕上げ材と呼ばれるカーペットや畳など緩衝性のある材を用いることが、防音性能の向上に最も効果的であると言われています。
1-2. ② 重量床衝撃音(LH)
重量床衝撃音(LH)は、重くて柔らかい床への衝撃音。
音の印象としては、「ドンドン」「ドスン」「ドタバタ」です。
具体的に言うと、素足による足音やジャンプで生じる音は重量床衝撃音(LH)になります。
重量床衝撃音(LH)について、防音レベルを測定する際は、JIS A 1418-2に規定された衝撃力特性を有する標準重量衝撃源(バングマシン)を用いて床を衝撃加振し計測しています。
重量床衝撃音(LH)を防音する場合、床躯体と呼ばれるマンションやアパートの構造自体の剛性を増すことが、防音性能の向上に最も効果的であると言われています。
まとめると、ジャンプで生じる音は重量床衝撃音(LH)と呼ばれる、重くて柔らかい音であり、1番の防音対策方法は、建物の強度が高いマンションやアパートに住むことなのです。
つまり、今住んでいる建物の強度が高ければ、それほど防音マットの防音性能が高くなくても、ある程度下の階に配慮してジャンプすれば騒音問題につながりにくいでしょう。
逆に、今住んでいる建物の強度が低ければ、十分な防音性能と下の階への配慮の上のジャンプが必須となります。
参考:日本建設連合会 技術研究部会音環境専門部会『床衝撃音、床衝撃音レベル、床衝撃音遮断性能』
2. 賃貸マンションの防音性能ってどれくらい?
では、あなたが今住んでいる賃貸マンション・アパートの防音性能はどれくらいあるのでしょうか。
自分が住んでいる建物の構造を調べる方法と、構造別の防音性能をご紹介しましょう。
2-1. 住んでいる建物の構造を調べる方法
賃貸の場合、主に以下の2つの方法で自分が住んでいる建物の構造を調べることができます。
- 賃貸物件検索サイトの物件情報ページを見る
- 「重要事項説明書」の建物の情報欄を確認する
確認する際、建物の構造がアルファベットの略称で表示されているかもしれません。その場合、以下の表を見て、ご確認ください。
いかがでしたか?今住んでいる物件はどのような構造だったでしょうか?
自分の住んでいる建物の構造が分かったところで、気になる建物の構造別の防音性能をご紹介します。
2-2. マンション・アパートの建物構造別の防音性能
賃貸の場合、代表的な建物の構造は次の4つです。
- 木造(W造)
- 鉄骨造(S造)
- 鉄筋コンクリート造(RC造)
- 鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)
どの構造が防音性能が高いか、下記の「建物の構造と遮音等級」の表をご覧ください。
鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションであれば、音が響かないと考えている方も多いのではないでしょうか。実際のところ、鉄筋コンクリート造でも子供の泣き声や、重量衝撃音にあたる足音などが聞こえることが、表を見るとわかります。
また、注意したいのが、鉄筋コンクリート造(RC造)の建物だからといって、すべての壁がコンクリートでできているとは限らないという点です。
骨組みに石膏ボードを張って、間にグラスウールなどを入れてつくられている場合もあり、期待していたような防音性能が得られないこともあります。
よって、SRC造のマンション・アパートに住んでいない限り、建物自体の防音性能は十分ではないと言えるのです。(騒音問題はデリケートなため、SRC造でも防音対策をおすすめします)
3. ジャンプ運動をしても下の階に響かない方法
「鉄骨造に住んでいる自分は、室内でジャンプするのは諦めないといけない?」
と思ったあなた。
ご安心ください。ここまでの説明は、マンションでジャンプをするとどのように下の階に響くかという話でした。
最善の防音対策方法は、構造の強度が高い建物に引越しをすることですが、ジャンプ運動するためにそこまでできませんよね。
そこで、ここからはジャンプ運動をしても下の階に響かない方法をご紹介します。
次の2つの方法を組み合わせることで、ジャンプが原因となる騒音問題を避けられることでしょう。
- 静かにジャンプする
- 防音性能が高い防音マットを使用する
3-1. 静かにジャンプする
一口にジャンプといっても、ドスンと音が響くジャンプと、スタンと静かに着地するジャンプの2種類あります。
ドスンと音が響くジャンプは、高い位置から力を入れて、かかとから着地するジャンプです。これでは、下の階に響いてしまいます。
スタンと静かに着地するジャンプは、低い位置から力を抜いて、つま先から着地するジャンプです。
バレエジャンプがまさにそうで、ひざを柔らかく使って、おなかとお尻に正しく力をいれたままジャンプをすることで、全身の筋肉をうまく使い、ジャンプしても、音を立てずに静かに着地することができるのです。
室内でジャンプをするときは、この静かなジャンプで行います。
3-2. 防音性能が高い防音マットを使用する
防音マットは床への衝撃音を吸収するマットです。
ジョイントマット、コルクマット、ヨガマット、防振マット、縄跳びマット、プレイングマットなど、ニトリやAmazon 、楽天等で販売されている「防音マット」と呼ばれる商品はたくさんあります。
これだけ多いと、どの防音マットを選べばいいか分からなくなりますよね。
巷では「防音マットは厚みがある方が防音性能が高い」言われていますが、実は「厚みある→防音性能が高い」とは一概に言えないのです。
では、ジャンプ運動をするにはどのような防音マットがいいのか。
見るべきポイントは防音マットの「防音性能」です。
防音マットの防音性能は、建物構造の防音性能と同様「L値」で表します。この基準を知っていると、世にでている防音マットを見ると以外にも「L値」が書かれていないことが分かると思います。
「L値」が書かれていない防音マットは、自社で防音効果の試験をしていない、もしくは外部で効果が認められていない、ということですので、防音効果を期待しない方がいいです。
また、「L値」が書かれた防音マットだとしても、ジャンプのような重量床衝撃音にあたる音は、防音マットでは音を吸収しきれない部分があるので、念のためにも最高ランク(L値35~40程度)の防音性能を備える防音マットが望ましいです。
4. ジャンプ運動におすすめの防音マット
結論を言います。
マンションでのジャンプ運動におすすめなのは、MUTEの防音マット「防音専科」です。
MUTEの防音マット「防音専科」は、対策が難しい足音などの騒音対策に特化した防音タイルカーペットです。
その防音性能は業界1を誇ります。下の表をご覧ください。
ご覧の通り、MUTEの防音マット「防音専科」は遮音等級LL35を達成しています。
防音専科は、ジョイントマットやコルクマット、一般的な防音カーペットをはるかに上回る遮音等級であり、世界最高レベルの防音性能です。
LL値は最初に解説した通り、軽量床衝撃音の防音対策レベルを表すものですが、防音専科は防振性を備えており子供の足音程度であれば防音可能です。
つまり、静かにジャンプすることで足音を子供程度に落とし、かつ世界最高レベルLL35の防音マットを使うことで、マンションでジャンプしても下の階に響かない程度に防音できるのです。
まとめ
- ジャンプで生じる音は重量床衝撃音(LH)
- 重量床衝撃音(LH)の防音対策には建物構造の強度がしっかりしている物件に住むことが一番良い
- 引越しできない場合は、「静かにジャンプする」「防音マットを敷く」ことで下の階に響かないよう防音対策をする
- 静かにジャンプするには、バレエジャンプを理想として、低い位置から力を抜いて、つま先から着地する
- 防音マットは、防音性能L値の数値が低いものを選ぶ
- ジャンプ運動におすすめなのはMUTEの防音マット「防音専科」