しかし、一口に防音性能が高い物件と言っても、性能にはそれぞれあります。
ご自身に必要な防音性能がどれくらいなのか、万が一入居出来なかった場合の具体的な対処法などご紹介したいと思います。
1.防音マンションとは
防音マンションとは、防音に特化した構造や設備によって、防音性能が高められた物件です。
主に、楽器の演奏で発生する音、ダンスなどで発生する振動による音などを防音することが可能です。
1-1.防音マンションの性能
防音性の高いマンションの特徴は、材質や構造にあります。
音は振動によって伝わるので、鉄骨造や鉄筋コンクリートなど壁や床の密度を高くできる構造が防音に向いていると言われています。一般的な賃貸住宅に比べると、音が外へ漏れ出なくなります。
例えば、通常の住宅でピアノを演奏すれば、音色も近隣へ漏れ出るだけではなく、ペダルの打鍵による振動もダイレクトに伝わります。 しかし、防音性能が高いマンションでは、窓や壁から音が伝わりにくい構造となっており、振動による音に対しても対策がされている物件が多くあります。しかし、建築構造自体は防音性能の高いものであっても、構造や窓の取り付け位置によっては、防音性が低くなる場合もあるので要注意です。
1-2.防音マンションの種類
防音マンションの主な種類とはどんなものがあるのでしょうか。
24時間楽器演奏可能物件防音マンションの中で、数は少ないですが24時間楽器の演奏が可能な物件があります。
専用の防音設備があり、自由度の高い物件と言えます。
共用の防音室併設物件
居住する部屋への防音ではなく、共有スペースに防音設備を整えている物件があります。
自分の部屋では演奏できませんが、共有スペースでの演奏が可能です。
楽器可能物件
防音性能が高くても、完全に音が漏れないわけではないので、生活時間に配慮した物件です。
こちらは、入居時のルールを守って指定された時間内であれば自由に演奏が可能です。
*物件によっては楽器の種類に規制がありますので必ずご確認ください。
1-3.防音マンション以外の楽器使用可能物件
賃貸物件のなかには、防音設備が不十分であっても、楽器の演奏について相談ができる物件もあります。
防音性の高い鉄筋コンクリート造(RC造)で建築されている物件や、一戸建て物件において、立地や設備の面からなかなか入居者が見つからないといった場合に、入居者を募るために、楽器演奏を可にしている場合があります。
そのため、楽器可物件と同じく、演奏時間や演奏できる楽器に制限をかけている場合がほとんどです。
決められたルールの中で、節度ある演奏を心がけなければなりません。
2.防音マンションの探し方と選び方
防音マンションは、通常物件に比べると圧倒的に数が少ないのが現状です。
希望の防音マンションを探すことが難しいと感じるのは数が少ないからだけではありません。
防音マンションとうたっていても、物件によって性能が様々です。
納得できる、防音マンションの選び方についてポイントを解説したいと思います。
2-1.音大や音楽関係の専門学校付近で探す
防音マンションは、音大や、音楽系の専門学校などの近くに物件が集中していることがあります。
学生向けに家賃も手頃なところもあるため、おすすめです。
2-2.全国の楽器可物件をインターネットで検索
今はインターネットで簡単に条件を絞り込んで検索が可能です。
防音マンションは人気なので、いろいろな条件で検索してみましょう。
防音マンションを探すのにおすすめのサイト
ミュージション(https://www.musision.jp/)
2-3.防音マンションの防音性を確認
実際に、どのくらい防音性があるのかを内見時に確認したいですよね。
防音性を見極めるポイントをご紹介します。
窓の防音性
見落としがちなのが窓です。窓は開閉することが前提なので、どうしても隙間があります。
そこから音が漏れ出るので、二重窓になっているか確認をすると良いでしょう。
壁の防音性
部屋の真ん中で手を叩いてみましょう。
その際に、音の響きがしっかりと返ってこない場合は、遮音できずに外へ音が漏れ出ている可能性が高いです。
床の防音性
確認できるのであれば、内見時に物件を案内してくれている担当者に部屋の中をバタバタと歩いてもらってください。
そして玄関の外で音が聞こえるかを確認してみましょう。
その際、しっかりと防音ができていれば気にならない音のレベルのはずです。
この時点で音が多く漏れ出ている場合は、ピアノやドラムなどの楽器の打鍵音は軽減できないので、他の物件を探さなければなりません。
3.防音マンションに入居できなかった場合の対処法
防音マンションは、需要に対して供給が少なく、一度入居するとなかなか退去されないということもあり、入居するハードルがかなり高くなります。
自分の希望通りの物件を見つけることは容易ではありません。
3-1.賃貸マンションで防音室の導入
自宅でどうしても演奏しないとだめな場合、防音マンションに入居できないと、大変ですよね。
防音マンションに入居できなかった時に考えられる対策として、防音室が考えられます。
防音室には2種類あり、部屋そのものを防音工事して防音室にする方法と、ボックス型の防音ユニットを導入する方法です。
家を改装する工事は賃貸では現実的ではありません。賃貸だと工事の許可を大家さんから取りづらいので、おすすめは防音ユニットです。
*防音ユニットであれば、承諾が取りやすいので通常の賃貸物件でも導入ができます。
*必ず管理会社または大家さんに確認しましょう。
3-2.楽器相談可物件で防音対策
楽器の相談が可能な賃貸住宅でも部屋を傷つけずに防音対策が可能です。
賃貸住宅向けに、色々な防音アイテムがあります。窓の防音
壁に穴を開けないタイプの二重窓や、遮音カーテンなどで防音対策が可能です。
退去時にも簡単に取り外せます。
壁の防音
壁の防音には、貼って剥がせる両面テープで、遮音材や吸音材をあわせて設置。
最近では、お手軽に設置が可能な、ボードタイプの防音壁もあります。
こちらも自分で設置が可能、退去時にも壁を傷つけることなく撤去が可能です。
床の防音
防音対策で難しいのが床の防音です。
楽器を演奏すると、思いの外振動が響いてしまいます。
振動によって発生する音は、軽減するのが難しい音となっており、一般的に販売されている防音マットでは効果を実感しづらいかもしれません。
しかし、防音マットの中でも遮音等級が明記され、*LL35のアイテムであればピアノやドラムの打鍵音対策が可能です。
防音マットも、フローリングに敷くだけで良いので設置も撤去も容易に行なえます。
防音対策を行っていても、音を完全に防ぐことはできません。近隣へ迷惑をかけないためにも、節度ある暮らしを心がけてください。
4.まとめ
防音マンションと言っても様々なタイプがあります。
ご自身のライフスタイルに合わせた物件選びが重要になってきます。
楽器が演奏可能な物件だからといって、100%防音できているわけではないので、ルールに則って楽器の演奏などは行いましょう。
希望の防音マンションへ入居できなかった場合は、楽器相談可の賃貸マンションで、防音対策を行ってみるのも良いですね。
